書籍を 3巡読む方法。

新しい分野の書籍を読むとき、例えば試験対策のテキストを読むようなときには、ただ読み流すのではなくて内容を理解する必要があります。そんなときにしばしば耳にするアドバイスは、「書籍を何度も読み返す」ということ。

ただ、「書籍を何度も読み返す」ということは一見簡単そうなのだけれど、なかなか難しい。逆に言えば、なかなか難しいからこそ、未だにこのアドバイスを耳にする訳です。さて、なかなか難しい理由には具体的には以下のようなものがあります。

  • そもそも1周目を読み切ることが難しい。新しい知識を得るために書籍を読むわけで、1周目は新しい情報ばかりなので読んでいて非常に疲れる。そして、その疲れが連続することによって挫折してしまう。あるいは、体調が優れなかったり心が落ち着かなかった日に読解が滞ってしまい、いつしか読解から遠ざかってしまう。あるいは、書籍内の難所の部分で読解を中断したが最後、難所を思い出すだけで嫌になってしまい挫折してしまう。
  • 1周目を読み切った後、達成感を感じる。それ自体は良いことなのだけれど、また最初に戻って、2周目、3周目と読み進めようとする際に、この 1周目読了の達成感が邪魔をして放置してしまう。結果として、せっかく覚えた知識を定着させることができず忘れてしまう。

こんな事態に陥ることを防ぐために、僕が時折実践しているのは「3枚しおり読書法」(今、命名しました)です。用意するものは、しおり 3枚だけ。運用方法は以下の通りです。

  • まず最初に、3枚のしおりを最初のページに挟み込みます。
  • 読書をする際には、その時の気分に合わせて 3枚のどれか好きなしおりのところから読み始めます。
  • ただし、あるしおりが、他のしおりを追い越してはいけません。
  • 先発隊(1周目)のしおりは、さらっと読解することを目的とします。いわゆる予習。僕の場合は、内容の理解度は 20%くらいを目安にしています。ある種、新しい情報への好奇心を満たすために先読みするような感じで読んでいきます。
  • 次発隊(2周目)のしおり、内容をじっくり理解することを目的とします。いわゆる本番。とはいっても、既に一読している内容なので、割合内容が頭に入るはずです。僕の場合は、内容の理解度は 40%~80%くらいになるように割合とゆっくり読みます。
  • 後発隊(3周目)のしおりは、復習することを目的とします。既に二読しているので、理解した内容に間違いが無いか、あるいは読み飛ばしがないかを主に確認していくことになります。ある意味、最後の読解なので慎重さが必要になるかもしれません。僕の場合は、理解度 50%~90%くらいになるようにします(書籍の難しさや 4周目以降の読解をするかどうかによって目安は変わります)。

このように 3枚のしおりを書籍に挟んで読書すると、読書する際に、読み始めるページに 3つの選択肢が与えられることになります。特に読解に行き詰まったときにこの選択肢の存在は重要で、苦手なところ以外を選択することで気が紛れることがあります。また、読解する時間や場所、そのときの気分によって、予習したいか、じっくり学習したいか、復習したいか、を最大 3択から選択することができます。このような「選択の自由」は読解への抵抗感をかなり和らげます。

このように、3枚のしおりを使用して、1周目と 2周目、3周目を並列的に読解していきます。そして、3枚のしおりがすべて最終ページに到達したときには、結果的に「その書籍を 3周読解した」ということになります。

もし良かったら、試して頂けたら幸いです。